体験する
岡山県備前市にて「備前焼」の窯元を訪ね、伊部の街並みや今もその姿を残す窯跡などを匠とともに散策。工房にて作陶工程を学び、匠の技を見学。ろくろの体験をお楽しみいただける1日体験プログラムです。
また、体験プログラムの中で触れた器の中から一品をお持ち帰りいただけます。
※ろくろ体験の作品はお持ち帰りいただけません。
食を愉しむ
昼食は工房にて、窯元おすすめの地元の食材を使用したテイクアウトメニューを、備前焼の器に盛り付けてお召し上がりいただけます。匠とともに和やかなひとときをお楽しみください。
備前焼について
備前焼窯元 一陽窯・備前焼職人 木村 肇
Hajime Kimura
1976年備前市伊部生まれ。備前焼窯元六姓の内、代々池田家の御細工人を勤めた木村長十郎友敬を祖とする13代木村長十郎友敬の次男・木村一陽が分家独立した「一陽窯」にて幼少より父、木村宏造のもとで陶技を学ぶ。
食器を中心に、使いやすく備前焼の特性を活かしたものづくりを行う。食や素材への興味関心がとどまるところを知らない大の料理好き。
日本六古窯の一つである備前焼は岡山県備前市で作られる焼き物です。使用される土は田畑から採掘される粘土で、きめが細かく鉄分が多く含まれるのが特徴。
轆轤(ろくろ)や手捻りで形成し、乾燥させ、釉薬を施さず約1200度の高温で焼き締める備前焼は「投げても割れぬ」といわれるほどの強度を持ち、土の成分や、窯の中の温度や場所、灰などにより焼き物の色が変化するため、二つとして同じものが生まれないことも魅力のひとつです。
備前焼の歴史は古く、古墳時代後期から奈良・平安時代に朝鮮から渡来した陶工によって山の傾斜を利用した穴窯で焼締め技法で作られた須恵器(すえき)に始まります。
平安時代後期には、民衆の生活の質向上のために必要な焼き物に変化し、壺や甕(かめ)など、生活にまつわる焼き物が作られるようになりました。
江戸時代に備前焼は藩の保護・統制が行われ製造体制が整備され、全国へと広がりを見せていきます。
そして、昭和31年、金重陶陽が重要無形文化財保持者に指定され、以降日本のみならず、海外での人気も高まり現在に至ります。
生活とともに進化しつづけ、土のあたたかさとプリミティブな要素を持ち合わせた備前焼は、実用面としても魅力的な焼きものです。
焼き上がった備前焼は内部に微細な気孔が無数にあるため、保温力に優れ、発泡能力が高いことから、味噌などの発酵を穏やかに導き、ビールなどの泡は、きめ細かい泡を長く楽しむことができます。
千年近くの歴史を持ち、唯一無二の焼きものを創りだす「土と炎の芸術」と称される芸術面と、実用面を兼ね備えた備前焼。
備前市にあるそれぞれの窯では、個性豊かな匠と焼きものに出会うことができます。