ふるさとおこしプロジェクト

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持続と進化

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

コロナ禍は人々の生活や経済社会に大きな変化をもたらしました。そんな中でも岡山エリアに根差し、幾多の困難を乗り越えて価値や伝統を守り続けている技術や文化、さらに、地域の資源を活用し、価値を高めていく取り組みや、持続可能な社会を目指して進化し続けるものに注目し、たくましく展開している姿に元気をもらう。

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

岡山市

えぇもん

No.188

中外燐寸社

脱硫マッチ

やわらかい炎で人に安らぎと温もりを
体と環境に優しい脱硫マッチを開発

あっ晴れ!大賞 ふるさとあっ晴れ認定

明治23年に創業した中外燐寸(マッチ)社は、現存するマッチ製造会社の中で最古。4代目がぜんそくに苦しむ母の姿を目の当たりにし、20年の歳月をかけて体に優しいマッチを開発。1976年に製法特許を取得した「脱硫マッチ」は、先端の着火部分に硫黄を使用していないので、ぜんそくの引き金になる亜硫酸ガスが発生しない。ツンとする刺激臭がなく、アロマキャンドルやお香にもぴったりだ。美しい2色の箱がパッケージされた「HOWARI(ほわり)」や、レトロな絵柄を生かしたお土産用マッチ「ももたろうスペシャリティ」、廃棄用軸材を有効利用した着火剤などの新製品はプラスチックごみを減らすため、紙製の外箱やパッケージにこだわり、環境にも配慮。また、事務所で使う電気は太陽光発電から供給され、その電気で充電した電気自動車で営業を行うなど、環境保全に取り組みながら高品質なマッチ製造を続けている。

●中外燐寸社

岡山県岡山市南区浦安南町550

Tel 086-263-2245

https://chugai-match.co.jp

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

赤磐市

えぇもん

No.189

岡山レース株式会社

岡山レース

アンティークな刺しゅう機と
熟練の技で紡ぐエンブロイダリーレース

あっ晴れ!大賞 ふるさとあっ晴れ認定

かつて日本にたくさんあったレース工場は、時代の移り変わりとともに減少。大阪より西では一社となった歴史ある「岡山レース」。技術と伝統を守りながら、花や動物、幾何学模様などを施したレースを製造している。柔らかな表現にこだわり、熟練した職人が手作業で型をおこすパンチング。高さ4.5m、全長20mにもなる昔ながらの「エンブロイダリーレース刺しゅう機」で、520本の針の間隔を微調整しながら、繊細な模様を生み出す。コンピューターには出せないふっくらとした糸遣いや手作り感、ぬくもりのある風合いが特徴だ。顧客のきめ細かい注文に応じられるのも強みの一つ。最近は会社の知名度アップに向け、地域密着の取り組みにも力を注いでいる。社寺と協働して製作した、レースをあしらった御朱印帳やお守りが人気。

●岡山レース株式会社

岡山県赤磐市桜が丘西9-24-7

Tel 086-955-7273

https://www.okayama-lace.co.jp

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

笠岡市

うめぇもん

No.190

勇和水産

喜多嬉かき

美しい北木島の海で心込めて養殖
出世魚ならぬ出世牡蠣「喜多嬉かき」

あっ晴れ!大賞 ふるさとあっ晴れ認定

笠岡諸島の北木島に広がる海域は透明度が高く、牡蠣のエサとなるプランクトンが豊富に含まれている。勇和水産では、定期的に底引き網で海底の清掃作業を行うなど、徹底した衛生管理下で1年かけて養殖。穏やかな潮の流れで育った牡蠣は、濃厚でうま味たっぷり。臭みやクセもないので、苦手な人でも食べられると評判だ。牡蠣が出回るシーズンはお正月、成人式、合格発表などの行事と重なる。祝いの席で、喜び多く嬉しい時間を過ごしてほしいと「喜多嬉(きたき)かき」と命名し、縁起の良い出世魚のごとく、サイズによって「ひながき」「喜多嬉かき」「美海(みう)がき」と名前を変え、販売している。また、特殊な緩慢冷凍を独自開発し、春先の一番美味しい時期の牡蠣を殻付きのまま保存。季節を問わず生食可能な牡蠣が楽しめる。牡蠣を使ったビールなど商品開発にも取り組む。

●勇和水産

笠岡市北木島6631-23

Tel 0865-68-3751

https://kitaki-kaki.com

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

矢掛町

うめぇもん

No.191

石挽カカオissai (いっさい)

石とカカオが生み出すチョコレート

矢掛町発、昔ながらの石臼で仕上げる
薫り高い本格クラフトチョコレート

あっ晴れ!大賞 ふるさとあっ晴れ認定

旧山陽道の宿場町、岡山県矢掛町に誕生した「石挽カカオissai(いっさい)」。矢掛町は良質な花崗岩の産地で、チョコレートを作るカカオ豆専用の石臼の開発に携わったことを機に、その奥深い味わいに魅了された石材店と彫刻家がオープン。カカオ豆からチョコレートが出来上がるまでの工程を一貫して行うBean to Bar製法。産地別のカカオ豆の個性を最大限に表現するため、加えるのは和三盆のみ。石板を使用し、ハンドテンパリングによる正確なカカオバターの結晶化にこだわって製造。重要な作業の一つ、カカオニブ作りの一部は就労継続支援事業所に依頼し、手作業で丁寧に行い、最後はissai独自の矢掛町産白色花崗岩の石臼で仕上げる。豊かなカカオの香りと口溶けの良さが特長だ。また、カカオ豆の可能性を追求し、カカオ菓子やドリンク、アルコールなどの商品開発も手掛ける。

●石挽カカオissai

岡山県小田郡矢掛町矢掛3074-1

Tel 0866-63-4245

https://ishiyamayuen.jp/

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

真庭市

えぇとこ

No.192

真庭あぐりガーデン

真庭あぐりガーデン

持続可能な循環型社会づくり
バイオ堆肥で育てた農産物を活用

「SDGs未来都市」に選定された岡山県真庭市の持続可能な循環型社会づくりをコーディネート、啓発する場として活動する「真庭あぐりガーデン」。日本でも数少ない取り組みの一つ、生ゴミやし尿、浄化槽汚泥をメタン発酵させ、液肥に変えて再利用するシステムを真庭市などと協働・連携し構築。バイオ液肥で育てた農産物を使ったレストランや直売所など、食を通じて地元の魅力を発信している。地域のおばあちゃんたちとともに、規格外の野菜を時短で簡単調理できるようカットした「お節介野菜」の製造・販売や、子育て支援事業として物作りや農作業の体験ワークショップなども開催。

●真庭あぐりガーデン

岡山県真庭市中396-1

Tel 0867-45-7333

https://maniwa-agurigarden.com

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

津山市

えぇとこ

No.193

城西まちづくり協議会

津山市城西地区

豪壮な仏閣とモダンな近代建築
江戸時代からの移ろいが残るまち並み

江戸時代から城下町として栄えた津山市城西地区。江戸期の社寺や、近代の繁栄を物語る商家のまち並みが残されている。津山藩主・森家の菩提寺「本源寺」をはじめ12ケ寺が集まった寺町は、高い漆喰の塀と豪壮な仏閣建築が整然と建ち並ぶ。城西まちづくり協議会が手作りした社寺マップや、若手僧侶らによる寺巡りツアーなど、住民が一丸となって魅力を発信。大正から昭和初期に商業で栄えた旧出雲街道沿いには大正ロマン漂う、旧土居銀行の「作州民芸館」と、田町には中島病院の旧本館が「城西浪漫館」(両館とも国登録有形文化財)として保存。住民の交流やにぎわいの拠点として活用されている。

●城西まちづくり協議会

津山市田町122(城西浪漫館 内)

Tel 0868-22-8688

http://josai-machidukuri.com

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

岡山市

えぇとこ

No.194

奉還町商店街

人情の厚さと庶民的な雰囲気が魅力
ノスタルジーと新しさが混ざる奉還町商店街

明治初期、廃藩置県で職を失った池田藩の武士たちが奉還金を元手に店を興したのが始まり。地域住民の生活に密着した店が多く、昔ながらの人情の厚さと庶民的な雰囲気が魅力。1999年5月に開設したコミュニティ施設「奉還町りぶら」を拠点に、地元の学校やアーティストらとの連携強化を図る。長年続いている7月の土曜夜市や、奉還町の人・もの・場所を紹介するSNS、最新のデジタル技術を使ったアートイベントなど多彩な事業を展開し、商店街を活性化。近年は若者が相次ぎ出店しており、若い感性とエネルギーがにぎわいにつながっている。

●奉還町商店街振興組合

岡山市北区奉還町2丁目14-7

Tel 086-252-1491

http://www.houkancho.com

●協同組合西奉還町商店会

岡山市北区奉還町3丁目4-11

Tel 086-252-0600

https://nishihoukancho.com/

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

岡山市

えぇとこ

No.195

たけべ福渡しプロジェクト

福の町たけべ福渡

観光列車が停まる駅「福渡」
ノスタルジックな町並みと川のせせらぎ

岡山市建部町にある縁起のよい地名「福渡(ふくわたり)」。その昔は美作国と備前国との国境の地であり、日本の原風景を思わせるのどかな風景が広がる。町を流れる旭川には7つの橋が架けられ、その中の一つ「しあわせ橋」は何度も流されても復活を遂げ、地元のシンボルになっている。ノスタルジックな雰囲気漂う商店街や温泉、鉄道ファンを惹きつける撮影スポットなど魅力が満載。観光列車の運行を機に、町内の有志らで「たけべ福渡しプロジェクト」を結成し、観光客をもてなす楽しいイベントを企画。地域ににぎわいをもたらしている。

●たけべ福渡しプロジェクト(建部町観光協会内)

岡山市北区建部町福渡465-1

Tel 086-722-4052

https://www.takebecho-kankokyokai.com

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

西粟倉村

えぇとこ

No.196

株式会社西粟倉村・森の学校

BASE101%

西粟倉村にあるものに価値を見出す
人と自然の可能性を発掘する基地

自然豊かな岡山県西粟倉村。森林資源をブランド化し、次々と商品化。関連事業をはじめ、ローカルベンチャーを増やして雇用が生まれ、村が活性化した。人口約1400人の1割以上の約200人が移住者という。2022年3月にオープンした「BASE 101% -NISHIAWAKURA-」は、人と自然の可能性発掘基地がテーマ。ないものではなく、あるものに価値を見出す。山々を駆け回る鹿肉をメインにしたジビエランチや、木材加工時に出た樹皮とおが粉を肥料にしたイチゴ栽培、地域のこだわりを集めたショップなど、商品の背景に自然や人の顔が見えるようなものを提供している。

●西粟倉・森の学校

岡山県英田郡西粟倉村長尾461-1

Tel 0868-73-0338

https://morinogakko.jp/

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

高梁市

うめぇもん

No.197

百姓のわざ伝承グループ

高梁紅茶

やさしい香りとほのかな甘み
和紅茶で高梁を元気にしたい

昼夜の寒暖差が大きいことで昔からお茶が栽培されていた高梁市。春から初夏にかけて発生する霧が紫外線から守り、苦みを抑える効果があり、良質な茶葉に育つという。高齢化が進み耕作放棄地となっていた茶畑を、百姓のわざ伝承グループが地域住民やノートルダム清心女子大学の学生らに参加を呼び掛け、6年かけて美しい茶畑に蘇らせた。農薬を使用しないで栽培される「高梁紅茶」は、やさしい香りとほのかな甘みが特長。渋みが少なくあっさりしているので、洋菓子だけでなく和菓子や果物との相性もよい。学生と協働で地元の魅力向上につながる商品開発にも取り組んでいる。

●百姓のわざ伝承グループ

岡山県高梁市松原町松岡888-1

Tel 0866-26-0255

http://takahashikocha.com

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

倉敷市

うめぇもん

No.198

冨來屋本舗

きびそば

ここにしかない岡山を味わう
タカキビを使った新しい食感のそば

桃太郎のきび団子でおなじみのタカキビは、日本に古くから栽培されている雑穀の一種。ポリフェノールや食物繊維、ビタミンEなどが豊富に含まれるスーパーフードとして注目されている。倉敷美観地区で郷土料理店を営む冨來屋(とらいや)本舗は、吉備国らしさにこだわった商品を追求し、10年前に県産のタカキビを使った「きびめん」を開発。毎日、季節の気候に合わせ、コシを調整しながら独自の製法で練り上げる。麺のもちもちとした食感とタカキビの爽やかな香り、だしのうま味が重なり合って美味。半生麺を持ち帰ることも可能。

●冨來屋本舗

岡山県倉敷市本町6-21

Tel 086-427-0122

https://try8.jp/

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

岡山市

うめぇもん

No.199

OKAYAMAまちおこし隊

岡山カレー

岡山市中心部からまちを元気に
白桃のチャツネが味の決め手「岡山カレー」

「岡山を市内中心部から盛り上げたい」という熱い想いから生まれた「岡山カレー」。岡山特産の白桃は、果皮が薄く日持ちしないため、小さな傷や過熱によって出荷できないものが生まれる。規格外の桃をチャツネに加工し、楽しんでいた桃農家のカレーからヒントを得て開発。白桃の旬は限られているが、加工することで年間を通じて楽しめ、食品ロスに貢献している。白桃チャツネは、カレーの辛さにコクと甘みを加え、旨味を引き立てる。カレーライスはもちろん、ピザやパスタ、うどんなどさまざまなジャンルに広がり、岡山市内47店舗で提供中。

●OKAYAMAまちおこし隊事務局

岡山市北区表町1-5-1 岡山シンフォニービル2F

Tel 086-233-1802

https://www.okayama-kanko.jp/okayamacurry/

2022年12月/第14回 ふるさとあっ晴れ認定

岡山市

うめぇもん

No.200

畑でとれるアイスのお店 AOBA

畑でとれるアイス

農家の困りごとを「美味しい」に変えて
四季折々50種類の岡山アイス

「畑でとれるアイスのお店 AOBA(あおば)」は、耕運機のモーター技術を活かしたアイスブレンダーを使い、冷凍した果物・野菜と蒜山ジャージー乳をブレンドしたオリジナルアイスを手掛ける。農家が抱える規格外の作物を活用できるのが強み。アイスは1杯ずつ製造するため、少量でも取り扱い可能だ。素材の味わいを活かすために甘さを控え、無香料・無着色で仕上げている。メニューは四季折々の果物や野菜50種類。ほかにも御津地区の山椒、倉敷の薄荷、高梁市の桜、備前の味噌など幅広いメニューを開発。アイスを通じて岡山の魅力を発信していく。

●畑でとれるアイスのお店 AOBA

岡山市北区内山下1-15-10

Tel 086-206-4740

https://www.aoba-ice.jp

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