2017年6月/第8回 ふるさとあっ晴れ認定
岡山市
えぇもん
No.114
撫川うちわ保存会 三杉堂
撫川うちわ
花鳥風月の絵柄と俳句で描かれた繊細な世界が涼を呼ぶうちわ
江戸時代から撫川地区で受け継がれてきた「撫川うちわ」。もともとは武士が内職で作っていたが、江戸後期には参勤交代の土産物として広まり、徳川将軍に献上されるほど名を馳せた。雅な趣きは、雲型の文様に俳句を詠み込んだ「歌継ぎ」、明かりにかざすと、句に合わせた花鳥風月の絵柄と俳句が浮かび上がる「透かし」の2つの技巧によるもの。3年以上育った女竹(めたけ)を、目と指の感覚だけを頼りにして64本に均等に割り、寸分の狂いなく和紙を張り、絹布で縁取る。すべて繊細な手作業のため、一人の職人が作れるのは年間わずか150本。優美なうちわは、手にしっくりとなじみ、あおぐとほど良くしなり、優しい風を届けてくれる。戦後、一時途絶えていた匠の技は、保存会「三杉堂」が伝承し、地域の公民館でも後継者の育成を図っている。
●撫川うちわ保存会 三杉堂
岡山県岡山市北区東花尻153
Tel 086-293-1221
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